まず、建物の屋根が太陽光パネルを取り付けることによっての荷重に
耐えられる構造と強度であることが第一です。
荷重の基準は建築基準法によって定められていて、
強度が不足していることが分かれば、補強する必要が出てきます。
同じシステムでも設置する屋根の材質によっては設置工法が変わり、
価格に大きな差が出ることもあることは覚えておきましょう。
日本の家の屋根は様々な形をしているため、
太陽光パネルは事実上、オーダーメイドの製品です。
そのため、「定価」がありません。
次に設置する場所ですが、南向きで、日当たりがよく、近隣の建物や電信柱、樹木など、
周りに影をつくる障害物がない場所を選ぶことになります。
最適な傾斜角度は、緯度によって異なります。
東京や大阪では水平から30度ぐらいが理想的ですが、
北海道では35度、沖縄なら20度ぐらいが最適になります。
南向きの屋根に太陽光パネルを設置するのに比べると、
東西向きになると発電量は85%に、北向きになると65%にまで落ちると言われています。
とはいえ、真南にパネルを設置することができなくても、
南東や南西向きに設置できれば、2~3%程度のロスしかありません。
また、東向きや西向きに設置する場合は、
できるだけ傾斜角度を無くして水平に設置することで、発電量を上げることができます。
1日の内の一定の時間帯に常に影が差すことが分かっているなら、
その部分は太陽光パネルを設置しないようにするといった工夫をこらすことで、
年間の総発電量が10%近くも増えたというケースもあります。
設置場所が決まれば、太陽光パネルを設置。
具体的には、まず太陽光パネルを設置する架台を取り付け、
同時に直流電気を交流に変換するパワーコンディショナ(パワコン)と
発電量を表示するモニター、電力量計を取り付け、最後に電気配線工事を行ないます。
そして検査を行ない問題がなければ、運転が開始されます。
太陽光パネルが無事に発電を開始すると、次に、余った電力を電力会社に売り、
逆に不足した電力を買える様にするために電力会社との間で「電力受給契約」を結ぶことになります。