太陽光「電池」という名前ではありますが、
太陽光発電システムに乾電池のように蓄電する機能はありません。
太陽光電池はいわば発電所なのです。
太陽光発電で発電したエネルギーの8割は家庭で使うことができますが、
残りの2割は直流を交流に変換する際に失ってしまいます。
直流、交流とは電流の種類のことです。
直流は乾電池などで使われている電流で、
電流の流れが一定であるため、電化製品の回路はシンプルです。
対して交流は発電所で発電された電流で、
電流の流れや向き、電圧が周期的に変化しています。
交流のメリットは電圧を高くするのが簡単であるため、大容量の電力が得やすいということ。
太陽光パネルが生み出す電流は直流ですが、現在、家庭用のコンセントは交流に対応しています。
そのため、太陽光パネルで発電した電気はコンディショナー(変換器)を使って
交流電流に変換する必要があります。
その時に電流のロスが発生するのです。
蓄電の際10%程度の電気を放電してしまうということです。
また、蓄電池に貯めておける電気も交流であるため、
蓄電するために、発電された直流を交流に変換し、
さらに貯めておいた電気を使用する際、再び、交流から直流に変換するため、
2回分の変換ロスが生まれてしまうのです。
といっても、火力発電の場合、燃料のもつ総エネルギーが、
発電の際の排熱や送電ロスによって、約65%も失われてしまっています。
結果、実際に使うことのできる電気量は35%程度なのです。
それと比べると太陽光発電のロスがいかに少ないかがわかると思います。